東京風姿02 – クラフトアール | 住宅/店舗/商業施設設計・コンサルティング

東京風姿

「飾る本質」をデザインリサーチから探る

ディスプレイ造形という名の「空間計画」ディスプレイ造形という名の「空間計画」

造形装飾デザインは、建築家が小さな街を創ることに似ている造形装飾デザインは、建築家が小さな街を創ることに似ている

1980年代後半、新しい技術の浸透という環境変化は、 クリエイターの意識と感覚の変容を巻き起こし、都市やプロダクトなどあらゆるものを変えていきました。産業の発展により機械技術が日常生活に浸透しはじめた1920年半ばの時代環境は、建築や芸術界に影響を与え、「モダニズム」を急激に広めました。1980年代に勃興した電子テクノロジーに能動的に適合させたグラフィックデザインやディスプレイ造形の変容ぶりは、エネルギーに満ちあふれた1920年代を彷彿させるものでした。今回はその時代背景から生まれたショーウィンドーの中の新しい造形をご覧下さい。

矢部友衛
矢部友衛
杉浦非水
杉浦非水

ポスターは単なる美人画から構成美へ移行しました

河辺晶昌久
河辺晶昌久

「機械」「ダイナミズム」「構成」

抽象的な構成のコラージュアート
前田藤四郎
前田藤四郎
村山知義
村山知義
舞台美術

抽象的な車のボディーライン、流線型の機関車、
建築にみる独特の曲線などに共通した
新しい造形意識を見つけだすことができます。

村山知義
村山知義

百貨店の空間ディスプレイデザイン

百貨店の空間ディスプレイデザイン

デパートという「箱」 には、箱だからこそ表現できる空間の強みがあります。訪れる人をリッチな心にし、より変化に敏感で、クイックかつ、自由でクリエイティブな発想のアトラクティブなコマーシャルデザインであるショーウィンドー。
現在では紹介されることが少なくなった1980年代後半~2000年のN.Y.各店に見られた貴重な「ウィンドードレッシング」をご紹介します。

Bergdorf Goodman バーグドルフ・グッドマン

ディスプレイは、ビジュアルプレゼンテーション部署のプロップ(小道具)マスター/
クラフトマンが中心となり創られています。
コンセプト作りから完成までは1年の期間を要するかなりの大仕事です。


  • ● ホリデーシーズンになるとショーウィンドーに斬新でアーティスティックな作品が展示されて話題になるお店です。
  • ● 懐かしい良き時代を連想させるファンタジックな世界観が表現されています。

機械技術から萌芽したデザインが、デザイナーの根底思想に承継される

機械技術から萌芽したデザインが、デザイナーの根底思想に承継される

1920年代のデッド・テック(※1)になろうとしている「機械技術」に求められたデザインは、その近代デザインの特徴となるドイツの「バウハウスデザイン」や、ロシアのアバンギャルド後の装飾にみられる「アールデコデザイン」、アメリカの第一世代デザイナーによる 「コマーシャルデザイン」が基本ボキャブラリーとして、現在も繰り返されています。

かつて機械テクノロジー先駆国といわれたドイツのディスプレイデザインは、デザイナー自身が大工であり、造形作家であり、デコレーターでもあるため、一貫した制作プロセスで空間演出がなされていました。 その伝統はアメリカに渡り、アメリカ人のよい意味での「子供じみた発想」でアレンジされ、大胆なデザインを生み出しています。

(注1)デッド・テクノロジーdead technology
現代の芸術や建築にみられる表現で、 もはや時代の主流になることはありえない機などを、造形物として展示することもある。

Macy’s メイシーズ(ニューヨークマンハッタンで一番巨大なデパート)

Henri Bendel ヘンリ・ベンデル

Barneys New York バーニーズ・ニューヨーク

Bloomingdale’ s ブルーミングデールズ

「工業の発展時」と「電子テクノロジーへの移行時」の変化の
両時代のデザインと美術を知る事は、創作への未来が見えると思われます。
この変化の両時代のデザインを考察し、「かたくなな美意識とダイナミックな想像力」を
大切にしていこうと、改めて感じます。

To be continued.
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